今までの口腔内ケアーは常識?非常識?

〈唾液の大切さと免疫力〉


 本来の歯磨きの目的は口腔内の環境を維持、改善するためだけでなく、全身の健康のための免疫力向上もあるのです。プラーク(歯に付着した細菌の塊)や食べかすをとるためだけでなく、歯肉をマッサージし唾液の分泌を高めることも重要です。

 歯肉をマッサージすることは内臓の活動も手助けします。何故なら口から始まり肛門までがひとつの消化器だからです。口腔内のケアーは胃や腸をケアーすることにもなります。そして、むし歯や歯周症、口臭予防には豊富な唾液が必要です。口からの細菌やウィルスの侵入を防ぐ殺菌力と、全身の免疫力にも大きく関連しています。つまり、いかにたくさんの唾液を失わず確保するかが重要です。

〈食後の歯ブラシは必要?〉


 昔から「食べたらすぐ歯を磨け」と言われてきましたが、食後すぐは口腔内の細菌の活性は全くなく無菌にも等しい状態です。普段から口臭がきつい人でも殆どゼロになります。プラークの形成も食後すぐにはありません。

 食べ残しは唾液中の酵素によって分解され酸が作り出されますが、この酸は食後に分泌される、 1日の中でも最高に豊富な唾液によって中和されます。

 でも食後に歯ブラシやうがいをすれば中和してくれる唾液を失い、免疫力も低下し、口腔内も酸性化と乾燥が進み、かえってむし歯や歯周病になりやすくなり口臭も出やすくなります。

 乾燥した歯にはすぐ食べかすが付き、また取れにくいので、いくら磨いたつもりでもプラークが除去出来ず、厚いプラークが何時も存在しやすくなり、その結果歯石も沈着しやすくなります。

 また乾燥はむし歯や歯周症も悪化させますから、歯肉から膿やネバネバの唾液による清掃不良により独特な口臭も出やすくなります。

 事実、世界中で食後に歯ブラシをしているのは日本以外ほとんどありません。キスが日常的なアメリカ人でさえ食後の歯ブラシはしません。日本は歯磨き剤の使用量は世界一なのに口腔内の状態は先進国最下位、世界的にも真ん中以下でスリランカと同レベルです。

この事実は何を物語っているのでしょうか?

〈正しい口腔内ケアーと生水の大切さ〉


 睡眠後、唾液の分泌は減少し、口腔内は乾燥し始め、細菌数は増加しますから就眠前のブラシは大事です。また、 1日働いてくれた消化器のためにも優しく歯肉のマッサージもしてください。

 朝には口腔内の細菌数は最高になっていますし、休んでいた内臓を活性するためと朝食のための唾液確保のためにも生水をしっかり飲んでから歯肉のマッサージをかねて軽くブラシしてください。決して強くゴシゴシは必要ないでしょう。

 飲食後、一番食べかすが残っているのは舌の上がほとんどであって、歯の隙間には少し (15~30%)しかありません。でも歯間ブラシしなければ食べかすが詰まって気になる人はしてください。そうでなければ水を含み舌の上などの食物残査を取り除けばいいのです。人前ではゴロゴロ出来ませんから、わからないようにそーと飲み込めばすぐに新たな唾液へとなります。

 また、食後にガムを噛む方が舌の上がきれいになると同時に、唾液も分泌され変化した PHの変化にも対応出来るのです。(注 市販のガムは殆どの製品が石油で出来ていて健康に問題があります)

 私たちは食物を消化するのに加水分解といって大量の水分を使いますから、食後数十分より口腔内の乾燥が始まります。今までの習慣からどうしても食後のブラシをしたい方はされてもかまいませんが、出来れば少しだけでも時間をあけたほうがいいでしょう。市販の歯磨きやうがい液には発ガン物質や口腔乾燥を非常に強める成分が多く含まれていますから、使わない方が賢明です。

 食間、食後何時でも生水はしっかり飲んで、口腔内だけでなく全身すみずみまでうるおすことは非常に大切なこともお忘れなく。

関連記事

  1. 歯と全身の関連 (患者さんの全てを診るのが本当の医療)

  2. 鉄調理器具と生水のすすめ

  3. フッ素の危険性

  4. キシリトールの効果と問題点